早稲田大学スポーツ科学学術院 スポーツ科学部教授
宮地元彦みやち・もとひこ
1965年、愛知県生まれ。88年、鹿屋体育大学体育学部スポーツ体育課程卒業。90年、同大学大学院体育学研究科修士課程修了。99年、筑波大学博士(体育科学)。川崎医療福祉大学助教授、米国コロラド大学客員研究員、国立健康・栄養研究所身体活動研究部部長などを経て、2021年から現職。日本学術会議会員。厚生労働省の『健康づくりのための身体活動基準2013』『健康日本21(第2次)』の策定などにも関わる。
2023.06.05
「働き盛りの約4割がフレイルもしくはフレイル予備軍の可能性もある」とフレイル研究の第一人者、早稲田大学教授の宮地元彦先生。ステイホーム期間が長かった新型コロナ禍を経て、多くの人で、筋力や心身の活力が低下した状態であるフレイルのリスクが高まっている恐れがあるのです。将来の要介護を避けるために、今、私たちがすべきことは何か。
簡単なフレイルチェック法、最大の栄養面のリスクであるたんぱく質不足を避けるための食事法、今日から始められる効果的な身体活動のコツ…。
宮地先生が、だれにでも実践できるフレイル対策を3回にわけてわかりやすく解説します!
「簡易フレイルチェック」は5つの設問に答えるだけで、今の自分のリスクレベルがわかります。たとえば、チェック項目の一つ「週1回の運動」も、やるかやらないかが大きな差につながるのです。
簡易チェックで3つ以上に該当すればフレイル。中でも、「6ヶ月で2〜3kgの体重減少」は特に危険なサインです。意図せず減るのはもちろん、標準体重の人のダイエットも要注意。身体組成計で筋肉量が落ちていないかチェックを。
働き盛りで時間的余裕のない人はフレイルになりやすい傾向があります。「疲れやすくなった」というのは危険信号。また、高齢になり体が思い通りに動かなくなったという人も高リスクです。
握力低下はもちろん、噛む力や飲み込む力の低下、滑舌の悪化もフレイルの兆候。こうした状態は「オーラルフレイル」と呼ばれます。栄養面とコミュニケーション面の両方で障害になる可能性があります。
フレイルのチェックでは、筋力だけでなく筋量を測ることも必要。自分の両手を使ってふくらはぎの太さを確認する「指輪っかテスト」は、簡単に筋量低下リスクがわかる方法です。
1965年、愛知県生まれ。88年、鹿屋体育大学体育学部スポーツ体育課程卒業。90年、同大学大学院体育学研究科修士課程修了。99年、筑波大学博士(体育科学)。川崎医療福祉大学助教授、米国コロラド大学客員研究員、国立健康・栄養研究所身体活動研究部部長などを経て、2021年から現職。日本学術会議会員。厚生労働省の『健康づくりのための身体活動基準2013』『健康日本21(第2次)』の策定などにも関わる。